Smiley face
写真・図版
飛び散らないよう、とろみがついたラーメン
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 宇宙飛行士が活躍するのに欠かせない宇宙食。かつては栄養をとることが優先され、味やかみ応えは二の次だったが、国際宇宙ステーション(ISS)などでの長期滞在が当たり前になると、飛行士のストレス軽減などを目的に、よりおいしく、リフレッシュにつながるよう進歩してきた。

 愛媛県総合科学博物館で先月、「宇宙で食べる・宇宙で生きる」と題した企画展が始まった。米ロの宇宙機関が開発した宇宙食や、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が認証した宇宙日本食を展示。月や火星をめざす計画が進むなか、宇宙に長期滞在する飛行士の生活の質をいかに上げようとしているかに迫る。

 学芸員の三木綾乃さんは「失われがちなカルシウムを補給しやすくしたり、宇宙でもラーメンを食べられたり。過酷でストレスが多い宇宙の環境でも快適に過ごしたり、おいしく食べたりできるようにしてきた科学技術のすごさ、おもしろさを感じて欲しい」と話す。

 宇宙食は、人類が宇宙を飛ぶようになってすぐに利用され始めた。微小重力でも飛び散らないようチューブ入りで、お世辞にもおいしくはなかったらしい。

 ISSでの長期滞在が当たり前になると、生活の質を高めようと改良が進んだ。

 フリーズドライの技術を使って水で戻したり、温められるようにしたり。日本人飛行士が活躍するようになると、ふるさとの味でリラックスしてもらおうと、宇宙日本食の認証制度も始まった。

 微小重力の宇宙では、血液が足の方に集まらないため、顔がむくれてパンパンになる。鼻が詰まったようになって味覚や嗅覚(きゅうかく)が鈍り、どうしても濃い味の宇宙食を欲しがるようになる。

 「若田サン、ミソカツ、オネガイシマース」

 若田光一飛行士はISSに滞…

共有